
こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。
今回は建設キャリアアップシステム(CCUS)の「電気工事」の能力評価基準とレベルアップの方法について解説いたします。
建設キャリアアップシステム(CCUS)のレベルアップは、技能者一人ひとりのキャリアアップだけでなく、企業全体の競争力強化にも繋がります。
本記事では、電気工事のレベルを上げるための具体的な方法とポイントを解説します。
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、技能者の資格、社会保険加入状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みのことです。
このシステムの活用により技能者が能力や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い手を確保できるようになります。
技能者ひとり一人の就業実績や資格を登録することにより、以下のような効果が期待されています。
- 技能の公正な評価
- 工事の品質向上
- 現場作業の効率化
CCUSは、技能者が本人であることを確認したうえでシステムに登録し、 IDが付与されたCCUSカードを交付することがスタートになります。
その上で、いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのかを就業履歴として電子的に記録・蓄積します。
CCUSにおける電気工事とは?
CCUSでは、電気工事に関連する以下のような職種が登録されています。
- 電気工 (09電工-01):最も一般的な電気工事全般を行う技能者
- ソーラーシステム取付工 (10ソーラーシステム取付工):太陽光発電設備の設置工事など、ソーラーシステムに特化した作業を行う技能者
- 普通作業員(電気工) (16普通作業員(電気工)):電気工事現場での補助作業や軽作業を行う技能者
- その他電気設備 (17その他電気設備):上記のいずれにも該当しないが、電気設備に関連する特定の作業を行う技能者
- 仮設電気工 (52その他(施工)-43仮設電気工):工事現場などで一時的に設置される仮設電気設備の工事を行う技能者
CCUSでは上記の職種が登録されており、その能力評価基準は一般社団法人日本電設工業協会が担っています。
電気工事の能力評価基準とレベルアップの方法
CCUSにおける能力評価基準は以下のとおりです。

- レベル1:初級技術者(見習い)
- レベル2:中堅技能者(一人前の技能者)
- レベル3:職長として現場に従事できる技能者
- レベル4:高度なマネジメント能力を有する技能者(期間登録技能者等)
続いて、電気工事の能力評価基準とレベルアップの方法について解説いたします。
レベル1に上げる方法
電気工事のレベルを1に上げる方法は以下のとおりです。
建設キャリアアップシステムに技能者登録され、レベル2から4までの判定を受けていない技能者
つまり、技能者登録をすれば自動的にレベル1となります。
レベル2に上げる方法
電気工事のレベルを2に上げる方法は以下のとおりです。
- 就業日数:3年(645日)
- 保有資格:第一種電気工事士試験合格者〔31073〕または第二種電気工事士免状取得者〔31019〕
レベル2は、中堅クラスの一人前の技能者として現場に従事できるレベルとされています。
レベル3に上げる方法
電気工事のレベルを3に上げる方法は以下のとおりです。
- 就業日数:5年(1075日)
- 保有資格:第一種電気工事士免状取得者〔31018〕
※以下の資格は、それぞれ指定する就業日数を満たすことでレベル3の保有資格を有するものとする- 第一種電気工事士試験合格者〔31073〕で認定電気工事従事者〔31074〕(就業日数1,505日(7年)以上)
- 青年優秀施工者土地・建物産業局長顕彰者(建設ジュニアマスター)〔92024〕で第二種電気工事士免状取得者(就業日数1,505日(7年)以上)
- 第二種電気工事士免状取得者〔31019〕で認定電気工事従事者〔31074〕(就業日数2,150日(10年)以上)
- 職長・班長経験:職長または班長としての就業日数が1年(215日)
※レベル2の基準の「保有資格」を満たしていることが前提となります。
レベル3は、職長として現場を任せられる上級技能者とされています。
レベル4に上げる方法
電気工事のレベルを4に上げる方法は以下のとおりです。
- 就業日数:10年(2150日)
- 保有資格:以下の①~③のいずれかを保有する必要があります。
- 登録電気工事基幹技能者〔00001〕
- 優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)〔91024〕
- 卓越した技能者(現代の名工)
- 職長経験:職長としての就業日数が3年(645日)
※レベル2、レベル3の基準の「保有資格」を満たしていることが前提となります。
レベル4は、高度なマネジメント能力を有し、現場全体を統括できる最高レベルの技能者とされています。
経営事項審査(経審)での加点
公共工事の受注を目指す建設業者にとって必須の評価制度である経営事項審査において、CCUSの導入や登録技能者のレベルに応じて加点措置が受けられます。これにより、入札で有利になり、受注機会の拡大に繋がります。
どのくらい加点されるのかについては、以下記事を参照してください。
CCUSの導入での加点はこちら

登録技能者のレベルアップによる加点はこちら

まとめ
今回は建設キャリアアップシステム(CCUS)の「電気工事」の能力評価基準とレベルアップの方法について解説いたしました。本記事をまとめると以下のとおりです。


以上です。ご参考になりましたでしょうか。
お困りのこと・相談したいことがございましたら下記のお問い合わせフォームからお願いいたします。