こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。
建築士事務所登録の要件や必要な手続きについて説明させていただきます。建設業許可と文言が似ているので間違って認識されている方もいらっしゃるかもしれません。
それでは見ていきましょう。
建築士事務所登録をする必要がある場合とは?
そもそも建築士事務所登録はどのような方が対象なのでしょうか?具体的には以下の方が対象となります。
- 他人の求めに応じ報酬を得て、設計等(※)を行うことを業として行おうとする建築士の方
- 建築士を使用して、他人の求めに応じ報酬を得て、設計等(※)を行うことを業として行おうとする方
(※)設計等とは以下のとおりです。
・建築物の設計
・建築物の工事監理
・建築工事契約に関する事務
・建築工事の指導監督
・建築物に関する調査または鑑定
・建築に関する法令または条例に基づく手続きの代理
なお、建設業者が請負の一環として事実上の設計等を業として行う場合は、建設業許可の他に、建築士事務所の登録が必要です。
建築士事務所登録の要件と必要書類
次に建築事務所登録の要件とその際に必要な書類について見ていきましょう。
1. 要件
建築士事務所には管理建築士を置かなければなりません。管理建築士とは以下のとおりです。
① 専任性を満たすためには、事務所に常勤し、専ら管理建築士の職務を行う必要があります。 従って、雇用契約等により事業主体と継続的な関係を有し、休業日を除いて通常の勤務時間中は、その事務所に勤務していなければなりません。
② 必要な資格、実務経験・講習は以下のとおりです。
・一級建築士事務所:一級建築士
・二級建築士事務所:二級建築士
・木造建築士事務所:木造建築士
上記の資格を取得し、建築士として3年以上の設計等の業務(建築士法施行規則第20条の5)に従事した後、登録講習機関が行う管理建築士講習の課程を修了した建築士でなければなりません。
2.必要書類
次に建築士事務所登録に必要な書類についてです。具体的には以下のとおりになります。
- 決算期の確認資料
- 管理建築士の住民票の写し
- 管理建築士の建築士免許証
- 管理建築士の専任を証明する資料
- 管理建築士講習修了証の写し
※この他に各種申請書の記入や状況により他の書類も必要となる場合があります。
上記の書類を事務所所在地の都道府県知事に申請します。東京都の場合は、東京都建築士事務所協会登録センターとなります。(申請手数料:一級建築士事務所18,500円 二級建築士事務所及び木造建築士事務所13,500円)
なお、支店等を設け、複数の箇所で設計等の業務を行う場合は、該当の都道府県にてそれぞれ建築士事務所の登録が必要です。
建築士事務所登録・更新時の注意事項
建築士事務所登録・更新をする際に主に注意しておかなければならないことについて、挙げさせていただきます。
- 1人の建築士が複数の建築士事務所の管理建築士となることはできません。
- 1つの建築士事務所登録に、複数の管理建築士を置くことはできません。
- 派遣労働者は、管理建築士にはなれません。
- 他事務所の管理建築士として登録されている建築士は原則として、当該建築士事務所の所属建築士となることはできません。
- 登録の有効期間は5年間です。登録を継続する場合は更新が必要になります。
【参考】毎事業年度の報告書の提出
建築士事務所登録をすれば更新まで何もする必要が無いわけではありません。
建築士事務所の開設者は、設計等の業務に関する報告書を、毎事業年度経過後3ヶ月以内に、都道府県知事に提出することが必要となります。
主な報告事項は、以下の4つです。
- 当該事業年度における事務所の業務の実績
- 所属建築士の氏名等
- 建築士ごとの業務の実績
- 管理建築士の意見の概要
報告書を提出せず、又は虚偽の記載をして報告書を提出した者には、30万円以下の罰金が科せられるおそれや行政処分としての懲戒等の対象になる可能性がありますので注意しましょう。
まとめ
建築士事務所登録の要件や必要な手続きについて説明させていただきました。弊所では、上記の手続きの申請代行を承っておりますのでお気軽にご連絡いただけると幸いです。
以上です。ご参考になりましたでしょうか。
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