【経営事項審査（経審）】社会性等におけるＷ３（防災活動への貢献の状況）の点数アップについて解説いたします！

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

今回は経営事項審査（経審）の簡単な説明とその評価基準の一つである社会性等における「Ｗ３（防災活動への貢献の状況）」の点数アップのポイントについて解説させていただきます。

まずはじめに経営事項審査とは、どのようなものなのでしょうか？

経営事項審査（経審）とは？

経営事項審査（経審）とは、企業の経営規模、経営状況、技術力、その他審査項目（社会性等）を総合的に分析し、その企業の総合評定値（P）を客観的に算出する審査です。

公共工事を発注者から直接請け負うためには、経営事項審査を受ける必要があります。

経審を受けるメリットとして主に以下の３つがありますので、これから公共工事も受注して新たな売上の柱を作りたい建設業者さんにはおススメの制度になります。

経審を受ける主なメリット

では次に経審の総合評定値（P）とはどのように算出するのでしょうか？

経審の総合評定値（P）の式は以下のように表されます。

P = 0.25 × X1 ＋ 0.15 × X2 ＋ 0.20 × Y ＋ 0.25 × Z ＋ 0.15 × W

　経営規模：X1、X2
　経営状況：Y
　技術力　：Z
　その他審査項目（社会性等）：W

建設業者さん各々の状況を４つの評価基準である「経営規模・経営状況・技術力・その他審査項目（社会性等）」から評価することが経審になります。

本記事では、社会性等におけるＷ３（防災活動への貢献の状況）の点数アップのポイントについて解説いたします。

経営事項審査全体の説明については以下を参照してください。

「防災活動への貢献の状況」とは、防災協定を締結しているか否かの状況を表しています。

そもそも防災協定とはどのようなものなのでしょうか？

防災協定とは、災害時の建設業者の防災活動等について定めた建設業者と国、特殊法人等又は地方公共団体との間の協定をいいます。

活動計画書や証明書等により、防災活動に一定の役割を果たすことが確認できる企業について加点されます。経審でこの取り組みを加点することにより、防災活動地域に貢献する企業を後押しすることを目的としています。

Ｗ３（防災活動への貢献の状況）の算出方法は以下のとおりです。

防災協定の締結	点数
有	20点
無	0点

なお、防災協定を複数締結していても、重複して加点されることはありません。２０点または０点のどちらかになります。

防災協定締結の確認書類は、以下のものが該当します。

これまではＷ３の算出方法を見てきました。次にＷ（その他審査項目（社会性等））全体の算出方法を見ていきましょう。

Ｗ（その他審査項目（社会性等））：
（Ｗ１＋Ｗ２＋Ｗ３＋Ｗ４＋Ｗ５＋Ｗ６＋Ｗ７＋Ｗ８）× 1,750 ÷ 200

この式のみではどのくらいの点数が付与されるのか分かりにくいので、具体例を見てみましょう。

Ｗ３（防災活動への貢献の状況）が「20点」の場合（防災協定を締結済）を見ていきましょう。

　20 × 1,750 ÷ 200 ＝ 175点　となります。

総合評定値（P）に換算すると、0.15 × 175（Ｗ）＝ 26点　となります。（※他の評価項目除く）

Ｗ３（防災活動への貢献の状況）について算出方法が分かったところで、どのようにして点数を上げていけば良いのでしょうか？

点数アップのポイントを紹介いたします。

では具体的に見ていきましょう。

防災協定を締結すれば、28点（総合評定値（P）に換算）が加点されますので、必ず締結するようにしましょう。

自社で防災協定を締結することが難しい場合は、防災協定を締結している建設業者団体に加入することにより条件を満たすことができますので、そちらを検討してみてはいかがでしょうか。

今回は経営事項審査（経審）の簡単な説明とその評価基準の一つであるその他審査項目（社会性等）における「Ｗ３（防災活動への貢献の状況）」の点数アップのポイントについて解説させていただきました。

主なポイントは以下のとおりです。