【経営事項審査(経審)】社会性等におけるW6(研究開発の状況)の点数アップについて解説いたします!

    こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

    今回は経営事項審査(経審)の簡単な説明とその評価基準の一つである社会性等における「W6(研究開発の状況)」の点数アップのポイントについて解説させていただきます。

    まずはじめに経営事項審査とは、どのようなものなのでしょうか?

    目次

    経営事項審査(経審)とは?

    経営事項審査(経審)とは、企業の経営規模、経営状況、技術力、その他審査項目(社会性等)を総合的に分析し、その企業の総合評定値(P)を客観的に算出する審査です。

    公共工事を発注者から直接請け負うためには、経営事項審査を受ける必要があります。

    経審を受けるメリットとして主に以下の3つがありますので、これから公共工事も受注して新たな売上の柱を作りたい建設業者さんにはおススメの制度になります。

    経審を受ける主なメリット
    • 公共工事の入札の参加が可能になる
    • 客観的な自社の経営力や技術力等について把握できる
    • 要件が設定されている民間工事(経審の点数〇〇〇点以上等)に参加できる

    では次に経審の総合評定値(P)とはどのように算出するのでしょうか?

    総合評定値(P)の算出方法と審査項目

    経審の総合評定値(P)の式は以下のように表されます。

    P = 0.25 × X1 + 0.15 × X2 + 0.20 × Y + 0.25 × Z + 0.15 × W

     経営規模:X1、X2
     経営状況:Y
     技術力 :Z
     その他審査項目(社会性等):W

    建設業者さん各々の状況を4つの評価基準である「経営規模・経営状況・技術力・その他審査項目(社会性等)」から評価することが経審になります。

    本記事では、社会性等におけるW6(研究開発の状況)の点数アップのポイントについて解説いたします。

    経営事項審査全体の説明については以下を参照してください。

    では、W6(研究開発の状況)について説明させていただきます。

    W6(研究開発の状況)とは?

    W6(研究開発の状況)とは?

    研究開発の状況は、会計監査人設置会社に限定して、公認会計士協会の指針等で定義された研究開発費の金額を評価します。

    会計監査人を設置していない会社は「研究開発の状況」の加点対象にならないので注意しましょう。

    また、研究開発費の金額を評価します。 常に2期の平均値で評価します。

    研究開発の状況の点数表

    研究開発の状況における点数表は以下のとおりになります。

    平均研究開発費(2期)点数
    100億円以上25点
    75億円 以上 100億円 未満24点
    50億円 以上 75億円 未満23点
    30億円 以上 50億円 未満22点
    20億円 以上 30億円 未満21点
    19億円 以上 20億円 未満20点
    18億円 以上 19億円 未満19点
    17億円 以上 18億円 未満18点
    16億円 以上 17億円 未満17点
    15億円 以上 16億円 未満16点
    14億円 以上 15億円 未満15点
    13億円 以上 14億円 未満14点
    12億円 以上 13億円 未満13点
    平均研究開発費(2期)点数
    11億円 以上 12億円 未満12点
    10億円 以上 11億円 未満11点
    9億円 以上 10億円 未満10点
    8億円 以上 9億円 未満9点
    7億円 以上 8億円 未満8点
    6億円 以上 7億円 未満7点
    5億円 以上 6億円 未満6点
    4億円 以上 5億円 未満5点
    3億円 以上 4億円 未満4点
    2億円 以上 3億円 未満3点
    1億円 以上 2億円 未満2点
    0.5億円 以上 1億円 未満1点
    0.5億円未満0点

    W(その他審査項目(社会性等))の算出方法

    これまではW6の算出方法を見てきました。次にW(その他審査項目(社会性等))全体の算出方法を見ていきましょう。

    W(その他審査項目(社会性等)):
    ( W1 + W2 + W3 + W4 + W5 + W6 + W7 + W8 )× 1,750 ÷ 200

    この式のみではどのくらいの点数が付与されるのか分かりにくいので、具体例を見てみましょう。

    W6(研究開発の状況)が「20点」の場合を見ていきましょう。

     20 × 1,750 ÷ 200 = 175点 となります。

    総合評定値(P)に換算すると、0.15 × 175(W) = 26点 となります。(※他の評価項目除く)

    W6(研究開発の状況)の点数アップのポイント

    W6(研究開発の状況)について算出方法が分かったところで、どのようにして点数を上げていけば良いのでしょうか?

    • 研究開発を実施する

    文字面のとおりになりますが、「研究開発の状況」の点数をアップを狙うには、事業に関しての研究開発を実施する必要があります。

    ただし、研究開発の状況の点数は会計監査人を設置している会社のみ加点対象のため、大手の建設会社しか加点することが難しい状況となっているのが現状で、ほとんどの中小・零細企業の建設会社では対象とならないことが多いです。

    また、5,000万円以上の研究開発を実施して初めて加点対象になるので、経審の点数アップの目的のみで行うのはあまりおススメできません。

    まとめ

    今回は経営事項審査(経審)の簡単な説明とその評価基準の一つであるその他審査項目(社会性等)における「W6(研究開発の状況)」の点数アップのポイントについて解説させていただきました。

    • 研究開発を実施する

    弊所では経審から公共工事受注までの一連のサポートをさせていただいておりますのでお気軽にご相談いただければと思います!

    以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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