【経営事項審査(経審)】ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況(W9)について解説いたします!(令和5年より新設)

    こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

    今回は経営事項審査(経審)の簡単な説明とその評価基準の一つである「担い手の育成及び確保に関する取組の状況」における「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」について解説させていただきます。

    この「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」は令和5年1月1日以降に経審の申請をする際に新たに適用されますので申請する際は必ず確認しておきましょう。

    では本題に入る前に、経営事項審査(経審)とは、どのようなものなのでしょうか?

    目次

    経営事項審査(経審)とは?

    経営事項審査(経審)とは、企業の経営規模、経営状況、技術力、その他審査項目(社会性等)を総合的に分析し、その企業の総合評定値(P)を客観的に算出する審査です。

    公共工事を発注者から直接請け負うためには、経営事項審査を受ける必要があります。

    経審を受けるメリットとして主に以下の3つがありますので、これから公共工事も受注して新たな売上の柱を作りたい建設業者さんにはおススメの制度になります。

    経審を受ける主なメリット
    • 公共工事の入札の参加が可能になる
    • 客観的な自社の経営力や技術力等について把握できる
    • 要件が設定されている民間工事(経審の点数〇〇〇点以上等)に参加できる

    では次に経審の総合評定値(P)とはどのように算出するのでしょうか?

    総合評定値(P)の算出方法と審査項目

    経審の総合評定値(P)の式は以下のように表されます。

    P = 0.25 × X1 + 0.15 × X2 + 0.20 × Y + 0.25 × Z + 0.15 × W

     経営規模:X1、X2
     経営状況:Y
     技術力 :Z
     その他審査項目(社会性等):W

    建設業者さん各々の状況を4つの評価基準である「経営規模・経営状況・技術力・その他審査項目(社会性等)」から評価することが経審になります。

    本記事では、社会性等における「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」の点数アップのポイントについて解説いたします。

    経営事項審査全体の説明については以下を参照してください。

    では、「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」について説明させていただきます。

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)とは?

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)とは?

    内閣府による「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する実施要領」(平成28年3月22日)に基づき、
    「女性活躍推進法に基づく認定」「次世代法に基づく認定」及び「若者雇用促進法に基づく認定」の3つの項目について、経審で新たに評価項目が定められることとなりました。

    概要は以下の表のとおりです。

    スクロールできます
    項目認定概要
    えるぼし女性活躍推進法に基づく認定えるぼし認定は、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良である等の一定の要件を満たした場合に認定が与えられます。
    認定の段階は、「女性の職業生活における活躍の状況に関する実績に係る基準」を満たした数に応じて、3段階あります。

    また上記の3段階とは別に、えるぼし認定を受けた事業主のうち、 一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取組の実施状況が特に優良である等の一定の要件を満たした場合にはプラチナえるぼし認定が与えられます。
    くるみん次世代法に基づく認定くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、 一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定をうけることができます。
    くるみん認定には3種類があります。
    ユースエール若年雇用促進法に基づく認定ユースエール認定制度は、若者の採用・育成に積極的で、 若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業(常時雇用する労働者が300人以下の事業主)を厚生労働大臣が認定する制度です。

    えるぼし・くるみん・ユースエールそれぞれの詳細や取得方法などは以下のリンクをご参照ください。

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)の算出方法

    「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」のそれぞれの項目の算出方法は以下のとおりです。

    スクロールできます
    認定の区分点数
    女性活躍推進法に基づく認定プラチナえるぼし5点
    えるぼし(第3段階)4点
    えるぼし(第2段階)3点
    えるぼし(第1段階)2点
    次世代法に基づく認定プラチナくるみん5点
    くるみん3点
    トライくるみん3点
    若年雇用促進法に基づく認定ユースエール4点

    もし、複数の認定を受けていた場合は合計の点数が加点されるのではなく、もっとも高い点数の項目のみが加点されます。

    たとえば、「えるぼし(第3段階)」と「くるみん」の両方の認定を受けている場合、「えるぼし(第3段階)」の4点のみ加点されることとなります。

    W(その他審査項目(社会性等))の算出方法

    これまではW9の算出方法を見てきました。次にW(その他審査項目(社会性等))全体の算出方法を見ていきましょう。

    W(その他審査項目(社会性等)):
    ( W1 + W2 + W3 + W4 + W5 + W6 + W7 + W8+W9 + W10 )× 1,750 ÷ 200

    この式のみではどのくらいの点数が付与されるのか分かりにくいので、具体例を見てみましょう。

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)が「5点」の場合を見ていきましょう。

     5 × 1,750 ÷ 200 = 42.5点 となります。

    総合評定値(P)に換算すると、0.15 × 42.5(W) = 6点 となります。(※他の評価項目除く)

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)の点数アップのポイント

    W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)について算出方法が分かったところで、どのようにして点数を上げていけば良いのでしょうか?点数アップのポイントを紹介いたします。

    • えるぼし・くるみん・ユースエールの認定を受ける

    えるぼし・くるみん・ユースエールの認定を受ける

    えるぼし・くるみん・ユースエールのいずれかの認定を受ければれば点数アップが望めます。

    政府としては各企業に認定を推奨していますが、認定を維持していくには相応の費用と時間がかかるので、自社の経営状況や業務に応じて認定を受けるか検討してみましょう。

    まとめ

    今回は経営事項審査(経審)の簡単な説明とその評価基準の一つであるその他審査項目(社会性等)における「W9(ワーク・ライフ・バランスに関する取組の状況)」のポイントについて解説させていただきました。

    主なポイントは以下のとおりです。

    • えるぼし・くるみん・ユースエールの認定を受ける

    弊所では経審から公共工事受注までの一連のサポートをさせていただいておりますのでお気軽にご相談いただければと思います!

    以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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