【経営事項審査（経審）】経営規模におけるＸ２（自己資本・平均利益）の点数アップについて解説いたします！

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

今回は経営事項審査（経審）の簡単な説明とその評価基準の一つである経営規模における「Ｘ２（自己資本・平均利益）」の点数アップのポイントについて解説させていただきます。

まずはじめに経営事項審査とは、どのようなものなのでしょうか？

経営事項審査（経審）とは？

経営事項審査（経審）とは、企業の経営規模、経営状況、技術力、その他審査項目（社会性等）を総合的に分析し、その企業の総合評定値（P）を客観的に算出する審査です。

公共工事を発注者から直接請け負うためには、経営事項審査を受ける必要があります。

経審を受けるメリットとして主に以下の３つがありますので、これから公共工事も受注して新たな売上の柱を作りたい建設業者さんにはおススメの制度になります。

では次に経審の総合評定値（P）とはどのように算出するのでしょうか？

総合評定値（P）の算出方法と審査項目

経審の総合評定値（P）の式は以下のように表されます。

P = 0.25 × X1 ＋ 0.15 × X2 ＋ 0.20 × Y ＋ 0.25 × Z ＋ 0.15 × W

　経営規模：X1、X2
　経営状況：Y
　技術力　：Z
　その他審査項目（社会性等）：W

建設業者さん各々の状況を４つの評価基準である「経営規模・経営状況・技術力・その他審査項目（社会性等）」から評価することが経審になります。

本記事では、経営規模におけるＸ２（自己資本・平均利益）の点数アップのポイントについて解説いたします。

経営事項審査全体の説明については以下を参照してください。

では、Ｘ２（自己資本・平均利益）について説明させていただきます。

Ｘ２（自己資本・平均利益）とは？

Ｘ２は「自己資本」と「平均利益」の評価項目があります。それぞれどのように評価されるのか順番に見ていきましょう。

まずは自己資本から見ていきましょう。

Ｘ２における「自己資本」とは？

自己資本とは貸借対照表の純資産のことです。主に「資本金」と「繰越利益剰余金（純利益の蓄積）」から構成されています。

Ｘ２は総合評定値（P）の中で１５％のウエイトを占めていて、他の項目と同様にこちらも重要な役割を示しています。

資本金の額を大きくすることと毎期純利益をなるべく多く計上できるようにすることが経審では評価されるということになります。

Ｘ２の「自己資本」の算出方法

Ｘ２（自己資本）は、まず直近単年度または直近２期平均の自己資本額を求めてから、以下表に当てはめて点数を計算します。

自己資本または平均自己資本	点数（自己資本：千円）
3,000億円　以上	2,114
2,500億円　以上　3,000億円　未満	63 × 自己資本 ÷ 50,000,000 ＋ 1,736
2,000億円　以上　 2,500億円　未満	73 × 自己資本 ÷ 50,000,000 ＋ 1,686
1,500億円　以上　 2,000億円　未満	91 × 自己資本 ÷ 50,000,000 ＋ 1,614
1,200億円　以上　 1,500億円　未満	66 × 自己資本 ÷ 30,000,000 ＋ 1,557
1,000億円　以上　 1,200億円　未満	53 × 自己資本 ÷ 20,000,000 ＋ 1,503
800億円　 以上　 1,000億円　未満	61 × 自己資本 ÷ 20,000,000 ＋ 1,463
600億円　 以上　 800億円　未満	75 × 自己資本 ÷ 20,000,000 ＋ 1,407
500億円　 以上　 600億円　未満	46 × 自己資本 ÷ 10,000,000 ＋ 1,356
400億円　 以上　 500億円　未満	53 × 自己資本 ÷ 10,000,000 ＋ 1,321
300億円　 以上　 400億円　未満	66 × 自己資本 ÷ 10,000,000 ＋ 1,269
250億円　 以上　 300億円　未満	39 × 自己資本 ÷ 5,000,000 ＋ 1,233
200億円　 以上　 250億円　未満	47 × 自己資本 ÷ 5,000,000 ＋ 1,193
150億円　 以上　 200億円　未満	57 × 自己資本 ÷ 5,000,000 ＋ 1,153
120億円　 以上　 150億円　未満	42 × 自己資本 ÷ 3,000,000 ＋ 1,114
100億円　 以上　 120億円　未満	33 × 自己資本 ÷ 2,000,000 ＋ 1,084
80億円　 以上　 100億円　未満	39 × 自己資本 ÷ 2,000,000 ＋ 1,054
60億円　 以上　 80億円　 未満	47 × 自己資本 ÷ 2,000,000 ＋ 1,022
50億円　 以上　 60億円　未満	29 × 自己資本 ÷ 1,000,000 ＋ 989
40億円　 以上　 50億円　未満	34 × 自己資本 ÷ 1,000,000 ＋ 964
30億円　 以上　 40億円　未満	41 × 自己資本 ÷ 1,000,000 ＋ 936
25億円　 以上　 30億円　未満	25 × 自己資本 ÷ 500,000 ＋ 909
20億円　 以上　 25億円　未満	29 × 自己資本 ÷ 500,000 ＋ 889
15億円 以上　 20億円　未満	36 × 自己資本 ÷ 500,000 ＋ 861
12億円　 以上　 15億円　未満	27 × 自己資本 ÷ 300,000 ＋ 834
10億円　 以上　 12億円　未満	21 × 自己資本 ÷ 200,000 ＋ 816
8億円　 以上　 10億円　未満	24 × 自己資本 ÷ 200,000 ＋ 801
6億円　 以上　 8億円　未満	30 × 自己資本 ÷ 200,000 ＋ 777
5億円　 以上　 6億円　未満	18× 自己資本 ÷ 100,000 ＋ 759
4億円　 以上　 5億円　未満	21 × 自己資本 ÷ 100,000 ＋ 744
3億円　 以上　 4億円　未満	27 × 自己資本 ÷ 100,000 ＋ 720
2億5,000万円　以上 3億円　未満	15 × 自己資本 ÷ 50,000 ＋ 711
2億円　以上　 2億5,000円　 未満	19 × 自己資本 ÷ 50,000 ＋ 691
1億5,000万円　以上　2億円　未満	23 × 自己資本 ÷ 50,000 ＋ 675
1億2,000万円　以上　1億5,000万円　未満	16 × 自己資本 ÷ 30,000 ＋ 664
1億円　以上　 1億2,000万円　未満	13 × 自己資本 ÷ 20,000 ＋ 650
8,000万円　以上　 1億円　未満	16 × 自己資本 ÷ 20,000 ＋ 635
6,000万円　以上　 8,000万円　未満	19 × 自己資本 ÷ 20,000 ＋ 623
5,000万円　以上　 6,000万円　未満	11 × 自己資本 ÷ 10,000 ＋ 614
4,000万円　以上　 5,000万円　未満	14 × 自己資本 ÷ 10,000 ＋ 599
3,000万円　以上　 4,000万円　未満	16 × 自己資本 ÷ 10,000 ＋ 591
2,500万円 以上　　3,000万円　未満	10× 自己資本 ÷ 5,000 ＋ 579
2,000万円 以上　　2,500万円　未満	12× 自己資本 ÷ 5,000 ＋ 569
1,500万円 以上　　2,000万円　未満	14× 自己資本 ÷ 5,000 ＋ 561
1,200万円 以上　　1,500万円　未満	11× 自己資本 ÷ 3,000 ＋ 548
1,000万円 以上　　1,200万円　未満	8× 自己資本 ÷ 2,000 ＋ 544
1,000万円未満	223× 自己資本 ÷ 10,000 ＋ 361

続いて平均利益について見ていきましょう。

Ｘ２における「平均利益」とは？

平均利益とは直近２期平均の「利払前税引前償却前利益」を表しています。利払前税引前償却前利益とは「営業利益＋減価償却費」のことを指します。

営業利益とは「売上ー（売上原価＋販売費および一般管理費）」で表されるようにいわゆる本業で上げた会社の利益を指します。

また、減価償却費とは、保有する固定資産（建物・機械・車両等）の購入額を耐用年数に応じて配分して、その期に配分された額を費用計上することです。保有する固定資産が多くなればその分減価償却費が増えることになります。

以上より、本業の利益をなるべく多く上げて、固定資産を多く保有する（保有金額を増やす）ことが経審では評価されるということになります。

Ｘ２の「平均利益」の算出方法

Ｘ２（平均利益）は、直近２期平均の利払前税引前償却前利益を求めてから、以下表に当てはめて点数を計算します。

平均利益	点数（平均利益：千円）
300億円　以上	2,447
250億円　以上　300億円　未満	134 × 平均利益 ÷ 5,000,000 ＋ 1,643
200億円　以上　 250億円　未満	151 × 平均利益 ÷ 5,000,000 ＋ 1,558
150億円　以上　 200億円　未満	175 × 平均利益 ÷ 5,000,000 ＋ 1,462
120億円　以上　 150億円　未満	123 × 平均利益÷ 3,000,000 ＋ 1,372
100億円　以上　 120億円　未満	93 × 平均利益 ÷ 2,000,000 ＋ 1,306
80億円　 以上　 100億円　未満	104 × 平均利益 ÷ 2,000,000 ＋ 1,251
60億円　 以上　 80億円　未満	122 × 平均利益 ÷ 20,000,000 ＋ 1,179
50億円　 以上　 60億円　未満	70 × 平均利益 ÷ 1,000,000 ＋ 1,125
40億円　 以上　 50億円　未満	79 × 平均利益 ÷ 1,000,000 ＋ 1,080
30億円　 以上　 40億円　未満	92 × 平均利益 ÷ 1,000,000 ＋ 1,028
25億円　 以上　 30億円　未満	54 × 平均利益 ÷ 500,000 ＋ 980
20億円　 以上　 25億円　未満	60 × 平均利益 ÷ 500,000 ＋ 950
15億円　 以上　 20億円　未満	70 × 平均利益 ÷ 500,000 ＋ 910
12億円　 以上　 15億円　未満	48 × 平均利益 ÷ 300,000 ＋ 880
10億円　 以上　 12億円　未満	37 × 平均利益 ÷ 200,000 ＋ 850
8億円　 以上　 10億円　未満	42 × 平均利益 ÷ 200,000 ＋ 825
6億円　 以上　 8億円　 未満	48 × 平均利益 ÷ 200,000 ＋ 801
5億円　 以上　 6億円　未満	28 × 平均利益 ÷ 100,000 ＋ 777
4億円　 以上　 5億円　未満	32 × 平均利益 ÷ 100,000 ＋ 757
3億円　 以上　 4億円　未満	37 × 平均利益 ÷ 100,000 ＋ 737
2億5,000万円　 以上　 3億円　未満	21 × 平均利益 ÷ 50,000 ＋ 722
2億円　 以上　 2億5,000円　未満	24× 平均利益 ÷ 50,000 ＋ 707
1億5,000万円 以上　 2億円　未満	27 × 平均利益 ÷ 50,000 ＋ 695
1億2,000万円　 以上　 1億5,000万円　未満	20 × 平均利益 ÷ 30,000 ＋ 676
1億円　 以上　 1億2,000万円　未満	15 × 平均利益 ÷ 20,000 ＋ 666
8,000万円　 以上　 1億円　未満	16 × 平均利益 ÷ 20,000 ＋ 661
6,000万円　 以上　 8,000万円　未満	19 × 平均利益 ÷ 20,000 ＋ 649
5,000万円　 以上　 6,000万円　未満	12× 平均利益 ÷ 10,000 ＋ 634
4,000万円　 以上　 5,000万円　未満	12 × 平均利益 ÷ 10,000 ＋ 634
3,000万円　 以上　 4,000万円　未満	15 × 平均利益 ÷ 10,000 ＋ 622
2,500万円　以上 3,000万円　未満	8 × 平均利益 ÷ 5,000 ＋ 619
2,000万円　以上　 2,500万円　 未満	10 × 平均利益 ÷ 5,000 ＋ 609
1,500万円　以上　 2,000万円　未満	11 × 平均利益 ÷ 5,000 ＋ 605
1,200万円　以上　 1,500万円　未満	7 × 平均利益 ÷ 3,000 ＋ 603
1,000万円　以上　 1,200万円　未満	6 × 平均利益 ÷ 2,000 ＋ 595
1,000万円　未満	78 × 平均利益 ÷ 10,000 ＋ 547

ここまで自己資本と利益それぞれの点数の算出方法を見てきました。続いて、X２（自己資本・利益）全体の算出方法について見ていきましょう。

Ｘ２（自己資本・利益）の算出方法

X２（自己資本・利益）全体の算出方法は以下のとおりとなります。

X２＝（自己資本の点数＋利益の点数）÷２

Ｘ２（自己資本・平均利益）の点数アップのポイント

Ｘ２（自己資本・平均利益）について算出方法が分かったところで、どのようにして点数を上げていけば良いのでしょうか？「Ｘ２（自己資本・平均利益）の点数アップのポイント」を紹介いたします。

まとめ

今回は経営事項審査（経審）の簡単な説明とその評価基準の一つである経営規模における「Ｘ２（自己資本・平均利益）」の点数アップのポイントについて解説させていただきました。

主なポイントは以下のとおりです。

弊所では経審から公共工事受注までの一連のサポートをさせていただいておりますのでお気軽にご相談いただければと思います！

以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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