【建設業許可】一級土木施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる業種を解説!

    こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

    今回は「一級土木施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる業種」について解説いたします。

    建設業許可を取得する上で、最も強力で汎用性の高い資格の一つが土木施工管理技士で、その第一次検定の合格者が土木施工管理技士補です。土木工事に関わる事業者様にとって、この資格を持つ人材の存在は、事業の拡大と安定に直結します。

    本記事では、一級土木施工管理技士補が営業所専任技術者等(専技)として認められる建設業の業種と、一級土木施工管理技士補取得のメリットを合わせて詳しく解説します。(一級土木施工管理技士については以下の記事を参照してください)

    目次

    【参考】一級土木施工管理技士補とは?

    一級土木施工管理技士補とは、令和3年度(2021年度)に新設され、一級土木施工管理技術検定試験の「第一次検定」に合格した者に与えられる資格のことです。

    一級土木施工管理技士補は、一級土木施工管理技士の資格(第二次検定合格者)になるための中間資格であり、実務経験を積みながら上位資格の取得を目指す技術者のキャリア形成を支援する役割を持っています。

    一級土木施工管理技士補を取得し、必要な実務経験(大卒で3年以上など)を満たすことで、一級土木施工管理技士の「第二次検定」の受験資格が得られます。第二次検定に合格すれば、正式に一級土木施工管理技士となることができます。

    一級土木施工管理技士補が営業所技術者等(専技)になれる業種

    一級土木施工管理技士補の資格は、その名の通り「土木」を主軸としながらも、関連性の高い複数の専門工事で営業所技術者等(専技)として認められています。

    以下表のすべての業種は、一級土木施工管理技士補の資格に加えて実務経験が必要となります。

    業種名業務内容の例
    左官工事業左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事
    とび・土工・コンクリート工事業基礎工事、地盤改良、足場の組立て、コンクリート打設、くい打ちなどの工事
    石工事業石積み(石張り)工事、石材加工・設置工事
    屋根工事業屋根ふき工事、屋根一体型の太陽光パネル設置工事
    タイル・れんが・ブロック工事業コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事 、サイディング工事
    鉄筋工事業鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事
    しゅんせつ工事業河川、港湾などの海底や川底を浚渫(さくせん)する工事
    塗装工事業橋梁、タンク、道路構造物などの塗装工事
    防水工事業アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事
    熱絶縁工事業冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事
    さく井工事業さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
    水道施設工事業上水道、工業用水道などの取水・浄水・配水施設工事
    清掃施設工事業ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事
    解体工事業建築物・工作物の解体工事

    この資格を持つ方がいれば、これらの業種の建設業許可(新規・業種追加等)をスムーズに申請できます。

    資格に実務経験が必要な場合がある?

    本章では、建設業許可の種類(一般建設業許可と特定建設業許可)ごとに、一級土木施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる建設業の業種を一覧でご紹介いたします。(以下表)

    特定建設業許可とは、元請として一定金額以上の下請契約を締結する場合に必要な許可です。一級の資格は、この大規模工事に対応できる「技術力の証明」となります。詳細は以下の記事を参照してください。

    一級土木施工管理技士補の資格のみでは営業所技術者等(専技)になれる業種はなく、以下すべての業種で資格に加えて実務経験が必要となるので注意が必要です。

    業種名一般建設業許可特定建設業許可
    左官工事業×
    とび・土工・コンクリート工事業×
    石工事業×
    屋根工事業×
    タイル・れんが・ブロック工事業×
    鉄筋工事業×
    しゅんせつ工事業×
    塗装工事業×
    防水工事業×
    熱絶縁工事業×
    さく井工事業×
    水道施設工事業×
    清掃施設工事業×
    解体工事業×
    一級土木施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる業種と許可の種類

    〇:一級土木施工管理技士の資格のみで営業所技術者等(専技)になれる業種
    △:一級土木施工管理技士の資格+実務経験3年(業種ごと)で営業所技術者等(専技)になれる業種
    ×:営業所技術者等(専技)になれない業種

    一級土木施工管理技士補を取得するメリット

    続いて、一級土木施工管理技士補を取得するメリットをご紹介いたします。

    • 経営事項審査(経審)での加点
    • 監理技術者補佐の配置
    • 主任技術者の配置

    それでは上記3つの詳細について解説していきます。

    経営事項審査(経審)での加点

    公共工事の入札に参加する際に必須となる経営事項審査(経審)において、一級土木施工管理技士補の配置は「技術力」の項目で大きく加点されます。この加点により、会社の競争力が向上し、公共工事の受注機会が増大します。

    監理技術者補佐の配置

    特定建設業者が元請として施工する大規模な工事において、技士補は監理技術者補佐として配置できます。

    企業は資格者を有効活用でき、複数の現場を同時並行で進める際の技術者不足のリスクを軽減でき、技術者配置の効率化を図ることができます。

    通常、大規模な工事(特定建設業が元請)では、監理技術者はその現場に専任しなければなりません。しかし、現場に一級技士補を「監理技術者補佐」として配置することで、監理技術者自身が、一定の条件下で他の現場(主任技術者の現場など)を兼任することが可能になります。

    主任技術者の配置

    所定の実務経験(大卒で3年以上など)を満たし、主任技術者として現場に配置することができます。

    一級土木施工管理技士補の資格を持つことで、主任技術者になるために必要な実務経験の年数が、学歴に応じて大幅に短縮されます。これにより、若手技術者でも早い段階から技術的な責任者として現場で活躍することができます。

    まとめ

    今回は「一級土木施工管理技士施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる業種」について解説いたしました。まとめると以下のとおりです。

    業種名一般建設業許可特定建設業許可
    左官工事業×
    とび・土工・コンクリート工事業×
    石工事業×
    屋根工事業×
    タイル・れんが・ブロック工事業×
    鉄筋工事業×
    しゅんせつ工事業×
    塗装工事業×
    防水工事業×
    熱絶縁工事業×
    さく井工事業×
    水道施設工事業×
    清掃施設工事業×
    解体工事業×
    一級土木施工管理技士補で営業所技術者等(専技)になれる業種と許可の種類

    一級土木施工管理技士は、土木系のほぼ全ての工事をカバーできるため、土木、舗装、水道など複数の業種を扱う企業において、建設業許可を取得・維持するための強力なキーパーソンとなります。一級土木施工管理技士補はそのキーパーソンとなるための補佐的な位置付けであり、将来的に活躍を見込める重要な資格です。

    もし、貴社がこれらの工事を主として行っており、まだ営業所技術者等(専技)の確保に課題があるようでしたら、この資格を持つ人材の採用や育成を検討されることを強くお勧めします。

    建設業許可の要件は複雑です。許可申請や業種追加でお困りの際は、行政書士などの専門家にご相談いただければ、貴社の状況に合わせた最適な許可取得プランをサポートいたします。

    弊所では上記についてのご相談、「建設業許可」取得の代行も実施していますのでお気軽にご相談ください。

    各業種ごとの許可要件は以下から参照することができます。

    以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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