【経審】中小企業が経営事項審査の点数を効果的に上げるには何をすればよいか? ~専門の行政書士が解説いたします!~

    こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。当オフィスは建設業許可を専門としており、建設業に関するあらゆるお悩みを解決すべく、皆様のサポートをさせていただいております。

    今回は中小企業が経営事項審査(経審)の点数を効果的に上げるには何をすればよいのかについて解説いたします。

    ただ闇雲に経審の点数を向上させることにはあまり意味がありません。点数向上のために費用や時間をかけるからには、会社の経営にも意味がある(効果がある)ことが望ましいです。
    また中小企業にはかけれられる費用や時間にも大企業と比べて制約があるのが現状です。

    そこで、費用や時間をなるべくかけないで、会社としてもメリットがある効果的な施策をご紹介しますので最後までお読みいただけますと幸いです。

    目次

    中小企業が経営事項審査の点数を効果的に上げる施策

    中小企業が経営事項審査の点数を効果的に上げる施策は、以下の5つになります。

    中小企業が経営事項審査の点数を効果的に上げる施策
    • 負債を減らす
    • 建退共・中退共・法定外労災に加入する
    • 防災協定を締結している建設業団体に加入する
    • 社員に経審を受ける業種の該当資格を取得してもらう
    • 社員に建設業経理士2級以上の資格を取得してもらう

    それではそれぞれ具体的に見ていきましょう。

    ① 負債を減らす

    経審に最も大きな影響を及ぼすと言っても過言ではないのが、負債です。負債を減少させることが最も効果的な施策になります。

    負債を減少させることにより、主に「純支払利息比率」、「負債回転期間」の項目等の点数が良くなります。
    (「純支払利息比率」、「負債回転期間」の詳細については以下の記事を参照してください。本記事では簡潔に解説いたします。)

    純支払利息比率

    純支払利息比率は、借入金の支払利息を減らすと、経審の点数がかなり改善されるので早期に返済できる借入金があれば早めに返済してしまうことも視野に入れると良いです。(経営状況や金融機関とのお付き合いも考慮する必要があります。)

    負債回転期間

    負債回転期間も低い方が望ましいので、借入金の早期返済のみでなく、負債で一般的に高いウエイトを占める買掛金についてもなるべく減らすようにした方が良いです。例えば、支払いサイトを短くすることが挙げられます。

    上記の他にも負債を減らすことで、「自己資本率」が向上したりと経審にとって良いことが多いです。

    ② 建退共・中退共・法定外労災に加入する

    建退共・中退共・法定外労災の概要はそれぞれ以下のとおりです。

    スクロールできます
    項目概要
    建退共
    (建設業退職金共済制度)
    建設業に従事する人のための国による退職金共済です。
    元請け・下請け・会社規模に関わらず加入することができます。会社が運営団体と契約を結び掛け金を払い、退職金は運営団体から労働者に支払われます。
    中退共
    (中小企業退職金共済
    中小企業のために設けられた退職金制度です。
    会社が毎月掛金を支払って従業員の退職金を積み立てていき、従業員が退職となった場合、退職金は中小企業退職金共済から直接支払われます。
    法定外労災業務上又は通勤途上での災害により死亡、重度の身体障害を抱えるなど、傷病の状態にある場合に、法廷内の労災保険の給付に上乗せして共済金を給付する補償制度です。

    法廷内の労災制度に加えて、以下すべてについて上乗せ加入していることが必要です。
    ・業務災害及び通勤災害
    ・直接の雇用関係にある職員だけでなく下請負人も対象としていること
    ・死亡および労災障害等級(1級~7級)を対象としている
    ・すべての工事現場を対象としていること

    建設業退職金共済制度(建退共)、中小企業退職金共済(中退共)、法定外労災の加入をすればそれだけで大幅な点数アップが望めます。

    建退共・中退共は、会社として合わせて加入することができますが、ただ一人の従業員について両方入ることはできないので注意しましょう。
    以下のように分ける事業者様が多い印象です。
     ・中退共:事務系の方
     ・建退共:現場系の方

    自社の経営状況や業務に応じて加入するか検討してみましょう。

    ③ 防災協定を締結している建設業団体に加入する

    防災協定を締結すれば、20点(W点)加算されますし、社会貢献にもつながります。(防災協定を締結している建設業団体に加入することでも同様です。)

    自社で直接防災協定を締結することは難しい場合があるので、防災協定を締結している建設業者団体に加入することをおススメいたします。

    ④ 社員に経審を受ける業種の該当資格を取得してもらう

    該当資格は経審を受ける業種により異なりますが、一級(二級)建築施工管理技士等の各種施工管理技士等です。

    どの資格が該当するかの詳細は以下の記事を参照してください。

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    技術職員区分 | 技術職員資格区分コード表 | 経審(経営事項審査)の解説 技術力評点Zを審査する際の技術職員区分を掲載。1級監理受講者,1級技術者,基幹技能者,2級技術者,その他技術者の5通りの技術職員区分があります。

    おおむね1級であれば5点(Z点)、二級であれば1~2点(Z点)が加算されます。

    ⑤ 社員に建設業経理士2級以上の資格を取得してもらう

    平均完成工事高(売上)が1億円未満の会社であれば、建設業経理士2級の資格保有(+講習)の社員が1人でもいれば、10点(W点)加算されます。

    建設業経理士2級は、合格率が40%前後であるので比較的努力が報われやすい資格でもあり、また建設業の経理に必要な基礎知識を習得することができるます。会社・社員のどちらにもメリットがある資格となります。

    建設業経理士1級であれば取得難易度がぐっと上がりますが、さらに別の項目の加点が狙えるので取得しておいて損はないです。

    まとめ

    今回は中小企業が経営事項審査(経審)の点数を効果的に上げるには何をすればよいのかについて解説いたしました。以下まとめになります。

    中小企業が経営事項審査の点数を効果的に上げる施策
    • 負債を減らす
    • 建退共・中退共・法定外労災に加入する
    • 防災協定を締結している建設業団体に加入する
    • 社員に経審を受ける業種の該当資格を取得してもらう
    • 社員に建設業経理士2級以上の資格を取得してもらう

    上記はあくまで一般論になり、お客様の状況により最適な施策も異なってきます。

    弊所では、建設業許可を専門として経営事項審査の点数向上のためのサポートさせていただいておりますのでお気軽にご相談いただけますと幸いです。

    以上です。ご参考になりましたでしょうか。

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